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ぽろり
ぽろり
ぽろり。
絶えず伝い落ちる涙。点々と滲みを作っては消えて、作っては消えて。
「何で、ですか」
強い口調で鈴仙は言った。狂気を司る赤い瞳から流れ出る涙を拭おうともせず。唯、目の前の人物に強い口調で問い掛ける。
其の人物は、哀しそうに瞳を伏せて、数秒の間を置いて口を開く。
「ごめんね、イナバ」
ごめんね。
輝夜は其れしか言わない。否、言えない、のかもしれない。
「どうして、師匠…何ですか」
先程の輝夜の言葉を無視し、今一度鈴仙は問う。ぽろり、瞬きをした刹那に瞳から涙が零れ落ちる。
頬を伝って其れはまた新たな滲みを作って消えた。
まるで意味も無く発せられる言葉の様に。
「ねぇ、姫様」
どうしてですか。
実る事も叶う事も無い
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