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「…ふふふっ」
声が零れた。笑い声。自分の、笑い声。そして指に付いていた血を舐め取る。
不味いとか、気持ち悪いとか、全く感じない。吸血鬼だから。
それにこの血は、魔理沙のだから。
不味いなんて、気持ち悪いなんて、微塵も思いはしない。
「魔理沙、魔理沙」
はしゃぐ様にフランドールは名を呼ぶ。赤黒く染まった魔理沙の屍を愛しげに抱えて。
「綺麗だね、魔理沙。真っ赤で、」
フランは酔っているかの様に屍に言った。嬉しそうに、嬉しそうに。
当然、返事など永遠に返って来ない、と言うのに。
手を取り甲に口付けを落とす。ちゅ、乾いた唇の音が紅の世界に小さく響く。
幸福に満ちた口付けが終わり、唇を離した。
今、彼女は、フランドールは幸福に満ちているのだろう。
満足なのだろう。
けれど、
けれど、
何時か気付く。
もう自分に笑いかける事はないのだと、
頭を優しく撫でてはくれないのだと、
二度と、
魔理沙の甘い声を聞く事は無いのだと。
「…っ、ま、りさぁ…」
悦びに満ちていた表情が刹那に歪み、声色も涙声に変わった。
気付いた、のだ。
「ごめん、なさい…ッ…」
Understand
(判ったよ、全てが間違いだったと言う事が。)
(判ったよ、全てが間違いだったと言う事が。)
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