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寒い。非常に。この上ないって位に寒い。
今は冬。否本当はもう春の時期なのだけれど今年の冬は妙に長くて。
噂によると何処ぞのアホ幽霊が従者に春を集めるように命じたらしく、結果が此の様。
少しは周囲の迷惑も考えて欲しいモノだ。
(此れも噂だけど博麗の暢気巫女が漸く動き出したらしい。なら安心かな。)
「永琳、寒い」
「そうですか。」
傍らにいる従者(だと思う)に言っても、特に何をするでもない。唯返事をするだけ。
因みに此のやり取りを彼是数十回繰り返している。
矢張り隠れ住む身、何処かしら平和ボケをした所も多々あるのだろう。多分。
「………もう良い、えーりんの馬鹿っ」
いい加減痺れを切らして永琳にそう吐き捨てると、私はイナバ達の所へ向かった。
寒い。すごく。月の兎とは言ってもやっぱり兎だから、寒さには本当に弱い。
ああもう隣にいるてゐ何て微動だにしていないじゃないの。
幾ら妖怪化した兎とは言ってもやっぱりうさぎだから同じ、と言う訳。
「何で今年の冬はこんなに長いのよ…、凍え死ぬー」
「妖怪がこの位で死んで如何するのよ」
「とは言ってもレーセンだって今にも死にそうじゃないのよ」
「………正直言うと死にそう」
お互い様じゃん、てゐはそう言って何処かへ行ってしまった。きっと師匠の部屋だ。
あそこは暖かいし師匠だって別に何とも言わないし。(でも薬の実験台にされる可能性は高くなる)
とりあえず師匠の部屋は絶好の場所なのだ。
「…はぁ」
一人になると余計に寒く感じる。シン、静寂が余計にそう感じさせる。自分も師匠の部屋に行こうかな。
そんな事をぐるぐると考えていたら突然、背後から声が。
「イナバっ」
「っ、と、…!―――姫様…?」
した刹那に感じた姫様の体温。回された腕。肩に乗る頭。さらさらと靡く綺麗な髪。
「あー…やっぱり兎は暖かいわねー…」
「…ちょ、っと、あの」
「生きてる暖房器具ー」
そう言って一層強く私を抱き締める。少し苦しい、かな。と言うか姫様私の言い分オールスルーしてる!
ううう文句言ってもきっと聞いてもらえやしないだろうから諦めて為されるが儘になっていよう。
「永琳なんかよりイナバの所に居ようかなぁ、今度から」
「…えと、ありがとうございます…?」
最後に疑問符が付いちゃったけど、否此の場合は仕方ないって絶対。
あああとか言ってる間にも姫様にどんどん体温が奪われていくっ。
でも言っちゃあ悪いけど姫様子供体温だからあんまり奪われてない気がする。
きっとこれからも子供体温の儘で在り続けるんだろうな。そのせいで月の都から追放された訳だし、ね。
姫様と同じ様に、私も在り続けられたら良いな。
「ね、イナバ。これからも宜しくね」
「え、う、あ…こ、こちらこそっ」
「主に冬場」
「そう言う意味ですかっ」
(レーセンと輝夜ってあんなに仲良かったっけ…?)(……(何故だろう腹が立つ)