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言えないんじゃなくて、言わないだけ。
でも、ある種、言えないのかもしれない。
うんうんと早苗は悩む。神社のとあるところ、お茶を片手に。
真面目な彼女にしては珍しく掃除等は途中放棄らしい。
ズズッ。茶を一口啜る。渋味と微量の甘味が口に広がり、しかしじっくり味わわず飲み下す。
何時もなら神奈子や諏訪子が何かと寄って来るのだが今回は居ない。
神奈子は兎も角、諏訪子が居ないのが良く判らない。
そもそも早苗は何故諏訪子が此処の神社に居る事すら良く知らないのだ。
「はぁ…」
溜息が出た。
「うーん…」
唸り声が出た。
その唸り声は其の儘静かに消えていった。
静かに消えていった言葉と同様に静かな周囲。何せ山奥。仕様がない。
言葉が引き金になってまた早苗はうんうんと悩み始める。
彼女が何についてそんなに悩んでいるのか、と言うと。
博麗神社の事だ。
「…なんで、」
信仰もクソもありゃしない、と巫女は言った。そうだ幻想郷には信仰心がまるで無い。
だから何時まで経ってもあそこの賽銭には一円も入らないのだ。
そんな判りきった事を、だけど一つだけ判らない。
博麗神社は、あそこはなんであんなに賑やかなのか。
否何時も賑やかってそう言う意味ではないのだけれど、しかし此処の神社と比べると賑やかで人気も多い。
場所も場所と言う事もあるのだろうけど如何せんわからない。
信仰は此方の方が絶対に上回ってると思うのに。
なのに、なのに。
「はぁ…」
再び溜息が出た。
絶対、それが羨ましいなんて言わない。(言えない。)
(ただのちょっとした強がり。)