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ぽろり
ぽろり
ぽろり。
絶えず伝い落ちる涙。点々と滲みを作っては消えて、作っては消えて。
「何で、ですか」
強い口調で鈴仙は言った。狂気を司る赤い瞳から流れ出る涙を拭おうともせず。唯、目の前の人物に強い口調で問い掛ける。
其の人物は、哀しそうに瞳を伏せて、数秒の間を置いて口を開く。
「ごめんね、イナバ」
ごめんね。
輝夜は其れしか言わない。否、言えない、のかもしれない。
「どうして、師匠…何ですか」
先程の輝夜の言葉を無視し、今一度鈴仙は問う。ぽろり、瞬きをした刹那に瞳から涙が零れ落ちる。
頬を伝って其れはまた新たな滲みを作って消えた。
まるで意味も無く発せられる言葉の様に。
「ねぇ、姫様」
どうしてですか。
アンタ何かに誰が譲るもんですか。
「何て言った?万年ぐうたら巫女」
「何度でも言ってあげるわよ、引き篭もり魔女」
見えない火花が散る。飽く迄見えないのだから当然傍から見れば睨み合っている(もしくは見詰め合ってる)様にしか見えない。
片や博麗神社の巫女。片や紅魔館の魔女。博麗霊夢と、パチュリー・ノーレッジ。
そんな普段余り目にしない組み合わせな二人が何をしているかと言うと、霧雨魔理沙を巡る所謂取り合い。基争奪戦。否、戦では無いが。
しかし彼女たちの中ではもう戦いは始まっていた。
「言っておくけど魔理沙は私のだからね、手を出したら躊躇い無く夢想封印するから覚悟しときなさい」
「それはこっちの台詞よ。私の魔理沙に手を出したら明日の朝日は拝めない様にしてあげる」
軽く両者共々殺害宣言してる気がするが、スルーをしておこう。
何故なら此れが彼女たちにとって“普通”なのだから。
「私は今魔理沙が何してるかピンポイントで判るわよ」
「その位で何威張ってるのよ。普通じゃないそれくらい」
「じゃあ魔理沙が今何してるか答えてみなさいよ。因みに私の答えは魔理沙はまだ寝てるわ」
「上等じゃない。私の答えは魔理沙は今読書してるわ」
バチッ
実際に鳴った訳ではない。雰囲気、である。
周囲の空気が1、2度下がった気がするのはきっとそうであろう。
何が何やら何時の間にやら彼女たちは魔理沙の家へ猛スピードで向かって行った。
問題の答えだとか何だとか。実にくだらn「「何か言った?」」いえ何も。
さて、此の後魔理沙の家に行って何処ぞの悪魔の妹と寝てたと言う事が発覚するのは別の話。
(ホラ、寝てた所は私が正解よ。)(今はそんな事より妹様の方が問題でしょう。)