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そんな顔で笑わないで。
瞬きをしたら消えてしまいそうだから。
強く。強く。強く。
抱き締める。抱き締める。抱き締める。
壊れてしまうんじゃないかと思うくらいに強く抱き締める。
そうでもしないと怖くて。
「早苗?」
声がして、身体を離す。
そこにはきょとんとこちらを真っ直ぐ見つめる瞳があった。
「どうかしたの?」
小首を少しだけ傾げて、可愛らしく訊いて来る。
無知と言うのは罪だと何処かで聞いた気がする。何となく解った気がして堪らなく悲しくなった。
「言いたくないなら、別に言わなくても良いよ」
無言をそう受け取ったらしい。ぽんと優しく手を頭に載せて、同じ様に優しく撫でる。
そして、浮かべるあの笑顔。
怖くて悲しくて切なくて苦しくて思わず涙が出そうになる。いやきっともう出ているんじゃないだろうか。
泣き顔を見せたくなくて彼女の首筋に顔を埋める。
今もまだ彼女はあの笑顔を浮かべているのだろうか。
「諏訪子様…」
お願いだから。
そんな顔で笑わないで。
(その笑顔がとても儚くて)
瞬きをしたら消えてしまいそうだから。
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