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水橋、パルスィ。嫉妬心を操る程度の能力。それ故に本人も嫉妬に狂っている。
それは重々承知のはずだった。それを踏まえて仲良くしたいと、友達になりたいと思った。
けれど、
「私たちは…友達のはず、だろう……?」
「あなたはそうだったのかもしれないわね」
わたしは違うけど、と。私の言葉を彼女はあっさりと否定した。そんな、何で。
「ぱる、」
ぐっ、と首を絞めている手に力を込められ言葉が途中で途切れた。名前すら、呼ばしてくれないのだろうか。
最初は苦しいのだ、絞められると。けれどだんだんとあたまに血がいかなくなり酸素もいかなくなりぼぅとしだしてくる。身体にちからが、入らない。パルスィの腕を懸命にはなそうとしてまわしていた手が、ずるりとおちる。ヤバイ、な、これ。
まだ死にたくない。まだ色々とやり残したことがあるのだ。
たとえばフランともっと遊んでいたいだとか。最近おちついてきたんだよな、アイツ。
あとパチュリーにしぬまで借りてるほんをまだぜんぶ読んでないとか。借り損じゃないか。
霊夢にまだいちども勝ったことないとか。いつか絶対負かす。まってろバーカ。
あと、あと、あと…。
アリス。
「アリス…」
おもい出したら胸がいたくなった。アリス、アリス、アリス。なんでこんなに胸が切ないんだろう。アリス。
「…っ、な、…で…ソイツのっ…!」
パルスィが何か言った気がして、そしたら首に加わってた圧力が急になくなった。げほ、むせ返って思い切り空気を吸い込む。目にはたくさんの涙が溜まってた。
急に頭に血と酸素が行き渡ったせいかぐらぐらする。がんがんする。
不意にパルスィの方を見たら、泣きそうな顔で私を見ていた。目が合うと、俯いて逸らされてしまった。
何だかこちらが悪い事をしたみたいな気持ちになってくる。一応私が被害者なんだけどな。少しだけ笑いがこみ上げて来る。
「パルスィ」
私の声に怯えて、びくりと肩を震わせた。そんなに怯えるなよ、と言うか普通私が怯えるほうじゃないのか。
「な、こっち見ろよ」
ぽんと優しく肩に手を置いたらやっぱり肩を震わせられて、やれやれと少しため息を吐く。やっぱり何だかこちらが悪いことしたみたいな気持ちになってくる。
とりあえず私は、思ったことを口にする。
「さっきの、こと…だよな」
「…………わたしの性格、知ってるでしょ」
「ああ、嫉妬狂いって所か?重々承知だぜ」
「ならわたしが…っ、こうなることぐらいわかるでしょ!?」
泣きそうな顔のままで、パルスィは言葉を続けた。
「わたし、あなたが好きなの。まりさがすきなの。ねぇまりさ、知らなかったでしょ?だってあなたそういうところは鈍そうだもの。あなたの周りのひともそう思っているんじゃないかしら」
「……ぱるすぃ」
「すきなのに、こんなに好きなのに…。あなたはそれに気づいてくれないし、わたしなんかみてくれないし。第一まりさはわたしが嫉妬深いって知ってるでしょう?それなのに、それなのに……さっき、アリ、スっ…、て」
アリスの名前を出した途端、パルスィは泣きそうな顔で泣き出した。私はどうすればいいのか判らず、おろおろするしかなかった。
だってさっきのパルスィの告白にも応えてやることは出来ないし、もともと彼女とは友達として仲良くしていきたいと思っていたから。だから嫉妬狂いだけれど仲良くしようと思ったのだ。
「まりさ…まりさぁ…、わたしいがいみないでよ。わたしいがいはなさないでよ。わたしいがいおもわないでよ。ずっとずっとそばにいてよはなれないでよ。ねぇまりさぁ……」
私は、パルスィに応えてやることは出来ないのだ。
だからどうすればいいかわからずに、おろおろするしか、ないのだ。
あなたと私のクライシス
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